磯の魚たち > 魚(幼魚)の画像 ナ行 ナンヨウアゴナシ タイドプール(潮だまり)や浅瀬で見られる小さな魚たちの紹介

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ナンヨウアゴナシ 〔 ナンヨウアゴナシ 〕
ツバメコノシロ科
 見られた時期:10月

たたみ一畳ほどの陸地に近いタイドプール(潮だまり)の端で、20cm程の範囲をクネクネと泳ぎ回っていた。

見つけたときには、見覚えのある泳ぎ方だったけれど、直ぐには何の種類か判らなかった。(理由は最後に記述)

2023年が初採集で、稀な種類となります。

資料等による日本近海での分布
伊豆~小笠原諸島、琉球列島
撮影個体:5.1cm(成魚:62cm)
 学名:Polydactylus sexfilis (Valenciennes 1831) ⦿ 写真クリックで大きい画像
ナンヨウアゴナシ 体形と色彩からツバメコノシロと思っていたけれど…

遊離軟条(アゴの下のヒゲ状のもの)が6本です。ツバメコノシロは5本なのです。

海で泳いでいるのを見て、簡単に判るものではないですね。

遊離軟条が6本で同じ科に含まれる種にカタグロアゴナシがいます。体形と色彩も似ているようなので、採集したときにはよく確認しましょう。

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ナンヨウアゴナシ

水槽内ではツバメコノシロのように泳ぎ回ることはなく、底面でウロウロとしていることが多い。

餌は、冷凍ブラインシュリンプ ⇒ 人工餌という流れですが、水槽に入れて2日目から少しづつ人工餌を食べ始めました。慣れてくると水面の餌も食べます。

餌をみつけて食べる時の動作はシュパッと素早い。

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ナンヨウアゴナシ

冒頭に、 見つけたときには何の種類か判らなかった、と書きましたが。判らなかった理由が分かりました。

上から見ると、ツバメコノシロの胸びれは黒色ですが、ナンヨウアゴナシの胸びれは透明です。これが判らなかった理由です。

成長に伴って色彩は変化すると考えられますが、この個体サイズの頃はひとつの判別材料になるかと思えます。

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Web上で、資料データベース、論文、ブログ、ホームページなどを調べた結果、本州での幼魚サイズと考えられるものは3個体しか見つけられず、標本資料が少ないと考えられるので上記の採集個体は標本用として「生命の星・地球博物館」に収められました。