幼魚について
文字どおり、幼い魚のことですが、「明確な定義はないが、稚魚より少し大きくなった状態」ー日本魚類館ー小学館の図鑑Z (2018年発行)とのこと。但し、学術論文には使用されません。
発育段階では、仔魚(孵化後、鰭条などができて稚魚になるまでの発育段階)⇒ 稚魚(発育が進み仔魚を経て鰭条などができた発育段階)⇒ 幼魚 ⇒ 若魚 ⇒ 未成魚 ⇒ 成魚 となる。
(参照資料:日本魚類館、日本産魚類検索 全種の同定 第三版 東海大学出版会 2013年発行)
幼魚の大きさは成魚と比べるととっても小さいのですが、接する立場によって幼魚と呼ぶ大きさが違うと感じます。磯などで採集されている方や研究者の方、定点観測しているダイバーの方などが言うところの幼魚は(種類により大きさは異なるけれど)全長は概ね5㎝以下という感じです。釣り人や漁業関係者の方、ダイビングツアーの方々になると、幼魚と言えば全長は大概10㎝を超えてしまいます。
私の採集状況からみると、小さい浅いタイドプール(潮だまり)や膝下ぐらいの浅瀬であり、お子様がパチャパチャと磯遊びができるぐらいの深さです。このような所で泳ぎまわる大きな魚を見かけることは先ずありません。
魚屋さんで見られるのは成魚クラス、水族館の展示もほぼ成魚クラス、魚図鑑でも主に成魚を対象として説明しています。一方、身近な磯遊びで見られる魚は殆どが幼魚なのです。
子供と一緒に小さな魚を採ったけれど「何という魚だろう?」と図鑑で調べても、幼魚が載っていないとそう簡単には判りません。ある程度魚と接している方は「〇○科かな?」と推測できて、その中から探し出した魚の名前をインターネットで検索すれば成魚も幼魚も見つけることができるでしょう。
「図鑑には幼魚が載っていない!」というのがこのサイトを公開する源となっています。 |