いま聴いている環境は、スピーカーとの距離は80cmと近く、ほぼ耳の高さ、鳴らしている音の大きさは部屋(ドアは常にオープン)に入ってこないと判らないくらい小さい。
AP05と比べると音の雑さが取れて、より澄んだ音になり子音が伸びる女性の声がきれい、中高域は良く伸びて、音が眼の前から耳まで伸びてきた。
アコースティックギターの歯切れのよい音もきれいに出てくるし、シンバルの音も少し伸びるようになった。室内楽などはなかなか聴き応えがあったりするが、バイオリン独奏の高音域が少しきつく感じることもある。
ただ、低音域については一応出ているかな?という感じであり、曲によってはどうしても不足感がある。でも AP05に比べて押しだす強さがやや増している感じがするのでアンプを替えて良かったと思う。
低音がドンドン、ボコボコと出てこないので隣室には全く響かず、深夜でも聴いていられるのは良いことかもしれないが、音程が見えてこないというのには不満が残る。
比較するために、使っていないスピーカー KENWOOD LS-X50 があったので聴いてみたが、やはり中高域の歯切れ良さや伸びでFE83Enを選んでしまう。
パワードスピーカーで済ませるという当初の予定とは違ってしまって、DAC/アンプ/スピーカーと基本の構成となってしまった。「最初からこうすれば良かったんだよ!」と、まぁ後悔しています。そうすれば、17,160円が無駄にならなくて済んだのに…とつくづく思ってしまう。
しかし、このページのタイトルは「スピーカー工作Ⅰ」なのです。
今回組み立てたFE83Enは時にはハッとする音を聴かせてくれて、キーを打つ手が止まったりすることもあります。素晴らしいユニットだと感じますが、それでも現状で不満がふたつほどあるわけです。
ひとつは、中域~高域よりのユニットのために中域~低音域にかけての音が不足し厚みに欠けること。
ふたつめは、伸びきる高域において強調する楽器の音が多少カサついたり、ピアノの高音域で「キン」という金属音が出たりすること。(曲によりけりなので必ずではありません)
という訳で、只今、FOSTEX以外のユニットを物色しており、これについては「スピーカー工作Ⅱ」で紹介いたしましょう。