ステレオ・アンプと称するものとの付合いは1970年頃からになる。初めて手に入れたのは秋葉原の小さな店の店頭で売られていた1万円程のプリメインアンプの自作キット。
これを徹夜で組み立てて、朝日の昇る頃にスイッチを入れ、音が出た瞬間はいたく感動してしまった。しかし、数ヶ月には素人の私でもわかる、「サー」ではなく「ザー」というノイズは夜中に聞くと耳に障った。またドンドンチンチンの派手な音作りは聞いてて疲れてしまう。
次に自作キットを購入したのは、当時のトリオブランド(現:ケンウッド)で発売されていたケンクラフトキット。プリアンプとメインアンプの組み立てキットである。
← 現在手元に残っているのは、この組み立てガイド冊子のみ。
徹夜を含めて丸1日を費やして2台とも組み上げたが、数多くの部品をハンダ付けしたことで心配していた結線ミスは無く、音はすんなりと出た。音が出た瞬間にまたもや感動!
しかし1年も経たないうちに不満がでてきてしまう。垂直式のボリュームはカッコ良かったが、微調整はし難く、ボリューム・バーの傾き加減で接触部が微妙に異なるのか、左右の聴感アンバランスが簡単に出てくる。
またプリアンプで使われていた特定のトランジスターにノイズが出始め、何度か交換を行う。パーツ類は全て秋葉原で揃えられるものばかりであり入手は簡単だったが、音に軽さも感じ始めてきていた頃でもある。
以後 AV アンプに至るまでは、レシーバー(ソニー製:型名不明)、トリオ KA-7100、オンキョー A-913 と続くが、買い換えのキッカケはいずれも接触部不良である。
何年か使っていると、ボリューム、入力切替、バランス等にて左右のどちらかが聴こえなくなってしまうという現象が起きる。接点復活剤を用いても一時凌ぎであり、根本の解決とはならなかった。