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自作スピーカー(B)PCオーディオ用 作成:2016/12

 今回の使用ユニット
Tang Band W3-881SJ

スピーカー工作Ⅲ」(2015.7)で使用したTang BandのW3-881SJ (8cm)です。

とても心地よい音で鳴ってくれるこのスピーカーユニット、気に入りました!。欲を出してもう少し自分好みにしようという訳です。


 今回の改善目的と+アルファ

市販のスピーカーボックス P-800E(FOSTEX)に取り付けて1年半ほど聴いていたのですが、ちょっと腰高で硬めの低音が気になっていました。この腰高の低音を少し下げようというのが改善の目的です。

+アルファとして音の透明感が増すのでは?という期待があります。それは下の写真(1)をご覧になれば判るかと思いますが、P-800Eに使われているパーティクルボードの中は粗くて密ではないということ。これが音の透明感に影響しているのでないか?と勝手に推測して、密な素材を選び改善を期待したい。


 制作過程の抜粋
(1) (2) (3) (4)
P-800E 拡大 小さな梱包 1台分の板 ツキ板
(1) P-800Eのバッフル断面、粗くて細かな空間があります。
(2) 板材はWebで頼みました ⇒ 木材オーダーメイド STORIO。届いた素材はスピーカー2台分で菓子箱サイズと小さい。
(3) 1台分の板をiPhone7と比較。116mm(W)×210mm(H)×170mm(D)のサイズで2.45ℓ 、P-800Eの約3割増し、素材は12mm厚のMDF。オーソドックスなバスレフです。P-800Eの小さな大きさが気に入っており、このサイズから大きく外れないようにして設計。
大変ありがたく利用させて貰っている、設計ソフト ⇒ sped
(4) 初めてツキ板を使ってみます。アサダ板目450mm×1800mmを使用。購入先は ⇒ ツキ板屋GIFU
(5) (6) (7) (8)
木口 圧着 カンナ掛け ツキ板貼り
(5) ツキ板を貼るうえで気になっていたのは木口となる断面。塩ビシートなどを貼ると厚さ分の白い断面が見えて気になるのですが、ツキ板の断面は木なのでそのようなことはなかった。
(6) クランプを用いての圧着状態。挟んで押さえる両ヘッド部分が斜めにならないようにしないと微妙にずれてしまいます。次回に作る時はずれないような工夫をしたいと思う。
(7) 段差が生じたらカンナで削ります。MDFは板の目が無いのでどの方向からでも削ることができて便利。
(8) ツキ板にボンドを均一に塗るためにローラーを使いました。毛先の短い仕上げ用です。作業場なんて無いので食卓テーブルの上で作業。
(9) (10) (11) (12)
切り落としてしまった突板 小刀での開口作業 吸音材の貼り付け サンドペーパー掛け
(9) はみ出たツキ板をカッターで切り落とすときに、はみ出て固まったボンドと共にツキ板の面を削ぎ落してしまいました。ボンドは必要以上に付けすぎないこと!への教訓です。
(10) バッフル面に貼ったツキ板をユニットの開口円とポート円に沿って切り抜きます。カッターでは手ごわいと考えて購入した刃先が細くなっている小刀、上手く切り抜くことができます。
(11) いつも悩む吸音材、今回はフェルト系と水槽濾過用のウールマットの2種類を使用。フェルトは息を吹きかけても全く通さず密で質量がある。ウールマットは吹きかけた息がほんわかと拡散される。貼る位置はこんなものかな?と気分で…
(12) 作る前は「めんどうだな~」と思っていた紙やすり掛け、ボックスが小さいのであっという間に終わってしまう。
(13) (14) (15) (16)
仕上げのニス塗り ポートの作成作業 ファストン端子 スピーカーターミナル
(13) 仕上げに透明のニスを2度塗って終了。
(14) バスレフのポートはサランラップの芯を利用。切り口がつぶれないように切るために、25㎜の丸棒を使用。丸棒の両端を橋渡しにしてカッターを当て、コロッコロッと少しずつ転がしながら焦らず丁寧に切っていきます。
(15)

ファストン端子を用意したけれど、マイナス端子側がブカブカだったのでユニットに直接ハンダ付してしまいました。

(16) スピーカーターミナルは標準的なタイプ。見栄えの良い円形タイプもあるが、この小さなボックスの面に50㎜の取り付け穴を開けるなんて無謀な気がする。最小の取り付け穴にするために次に作成する時には独立形を使用したいと思う。

 完成品と試聴
完成したスピーカー 思わず撫でてみたくなる愛おしいスピーカーが完成!

いい音ですなぁ…! 硬く腰高だった低音域は、固まっていた音程がばらけて柔らかくなり聴きやすい → 製作の目的は達せられました。+アルファの音の透明感は?う~ん、前よりもあるような気がする… 気がする…。

「おっ!」と感じさせる音であり、聴きやすく解像感もある。音質は美しい部類に入るので長く聴いていても疲れない、というよりももっと聴いていたくなる。クラシックもなかなか良くてスピーカーの間に展開するオーケストラを味わえるのは贅沢です。

あらためてFE83En(FOSTEX)を乙女の祈り(ピアノ)で聴き比べてみると。FE83Enは学校の体育館のステージで演奏しているモノクロ映像の音のイメージだが、このスピーカーで聴くと映像はカラーとなって音楽ホールのステージで演奏している音のイメージとなる。FE83Enは乾いた音でW3-881SJは艶のある音と言える。

聴感上での低域特性を確認してみると、100Hz以降から減衰していっているようで、90Hzが出ていることは聴きとれるが、80Hzになると耳を澄まさないと聴きとれなくなる。バスレフポートは一応80Hzで合わせてあるが、容積が少ないのでこんなものかな… と納得する。

大変ありがたく利用させて貰っている、テスト信号発生ソフト ⇒ WaveGene